日本の家庭における工作文化の原点を語るうえで、テレビ番組が果たしてきた役割は計り知れない。かつて『つくってあそぼ』で「ワクワクさん」として親しまれた久保田雅人氏が示した「身近な廃材を工夫ひとつで魔法の道具に変える」という姿勢は、数世代にわたって受け継がれてきた。新聞紙や空き箱、ペットボトルキャップに生命を吹き込むあの技法は、現代の手作りクラフトのバックボーンそのものである。
その精神を正統進化させ、現代の子どもたちに強い影響を与えているのが、NHK Eテレで放送中の『ノージーのひらめき工房』だ。同番組は単に作り方をなぞるのではなく、「ひらめき」や「自分だけの表現」を最優先に掲げる。磁石を使った工作回でも、ただモノをくっつけるだけでなく、「どうすれば動くか」「どんなストーリーを持たせられるか」を子ども自身に問いかけるスタイルが定着している。テレビ画面の向こう側の発想力に刺激され、放映後の週末には全国の家庭で磁石を使ったオリジナル作品づくりが繰り広げられている。