1489を活用した配当金生活を具現化するにあたり、最初に直視すべきは「目標とする手取り額を得るために、現実としていくらの元本を市場に投じる必要があるのか」という冷徹な数字です。直近における1489の現在利回りは概ね3.6%〜4.0%前後で推移しています。株式市場全体の配当利回り水準や東京証券取引所によるPBR改善要請を背景とした増配トレンドはあるものの、過度な高利回り見積もりは破綻の引き金になりかねません。ここでは標準的な年利回り3.8%(税引前)を基準値として設定し、税制の違いがもたらすインパクトを含めて試算しました。
課税口座(特定口座)では配当金に対して20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金が源泉徴収されます。一方、新NISAの成長投資枠を活用できれば配当金は完全非課税となりますが、同枠の生涯投資上限は1,200万円(つみたて投資枠と合わせて総枠1,800万円)に制限されています。したがって、必要元本が1,200万円を超える部分は、必然的に課税口座での運用を強いられる計算になります。
試算から浮き彫りになるのは、1489で月10万円の配当金を得るためには最低でも約3,656万円、ゆとりを持った単身FIREとされる月20万円を賄うには約7,600万円超のキャッシュ投下が不可欠という現実です。「数千万円規模の資産形成」という極めて高いハードルを越えない限り、1489単一銘柄による完全な配当金生活の成立は論理的にあり得ません。まずは月3万〜5万円の足元を固め、住居費や通信費といった固定費を相殺していくアプローチが現実的な第一歩となります。