「15坪(約49.5平米・約30畳)の平屋」と聞くと、多くの人が「単身向けのアパート程度」「2人で住むには息が詰まるのではないか」と懸念を抱きます。ネット上の住宅掲示板やSNSでも「実際に暮らしてみたら狭くて後悔した」という体験談が定期的に話題に上がります。それにもかかわらず、なぜ今これほどまでに支持を集めているのでしょうか。
大手ハウスメーカーの開発担当者は、取材に対して次のように設計思想の転換を明かします。
「かつて住宅は『客間』や『将来の子ども部屋』など、年に数回しか使わない空間のために坪数を広げていました。しかし現在の施主層は、使わない空間に住宅ローンを払い続ける不条理さを明確に拒否しています。15坪平屋一人暮らし間取りはもちろん、子育てを終えた15坪平屋シニア二人暮らしにおいても、暮らしの主軸を『日常で実際に過ごす時間』に集中させる合理主義が浸透しています」
15坪平屋が支持される最大の理由は、「生活動線の極小化」と「管理負担の劇的な軽減」にあります。寝室からリビング、水回りまでの移動歩数がわずか数歩で完結し、冷暖房効率も極めて高いため光熱費を最小限に抑えられます。つまり、広さへの見栄を捨て去り、実生活における快適性とタイムパフォーマンス(タイパ)を最優先した結果として、15坪というスケールが選ばれているのです。