1歳9ヶ月を迎えながらも言葉が増えない、あるいは意味のある単語がまだ出てこない背景には、いくつかの明確な理由が存在します。決して「親の語りかけが足りないから」と自分を責める必要はありません。
代表的な理由の一つが「表出性言語」と「受容性言語」の発達バランスです。言葉には、耳から聞いて理解する力(受容言語)と、自ら口に出して伝える力(表出言語)の2種類があります。1歳9ヶ月頃は受容言語が圧倒的に優位な時期であり、「ゴミをポイしてきて」「パパにどうぞして」といった大人の指示を行動で示せているなら、脳内には確実に言葉が蓄積されています。
さらに、身体の運動機能や指先の微細運動が急激に発達している時期は、脳のリソースが身体操作へと優先的に配分される傾向があります。走る、登る、物を器用につまむといった動作に熱中している子どもは、発語のタイミングが少し後ろにずれることも珍しくありません。