大手転職エージェントのキャリアアドバイザーや企業の採用担当者を対象としたヒアリング取材によると、提出書類における「元号・西暦の不整合」は、誤記理由のトップ3に常にランクインしています。
現場の採用担当者は次のように証言します。
「履歴書で『2017年4月 入社』と書きながら、同一書類内の免許欄に『平成30年 取得』と西暦・和暦を混在させたり、2017年を誤って『平成28年』『平成30年』と1年ズレで記載してくるケースが散見されます。単なる記載ミスであっても、『確認作業が甘いのではないか』という印象を書類選考時に与えてしまうのは非常にもったいないことです」(東証プライム上場企業・人事担当者)
ネット上のコミュニティ(知恵袋やSNSなど)でも、「平成29年と2017年の対応関係が直感的に結びつかず、子どもの予防接種手帳の問診票で書き間違えた」「住宅ローンの申請書で年号を訂正印で直す羽目になった」という失敗談が枚挙にいとまがありません。
なぜ平成29年周辺で認知的エラーが多発するのか。認知心理学の観点から分析すると、平成元年から平成20年代初頭までは「西暦の下2桁から12を引く」感覚が自然に身についていたものの、2019年に「令和」への改元が重なったことで、記憶のタイムラインが分断され、脳内での参照テーブルが混乱をきたしやすくなっている構造的要因が指摘されています。