マウンド上で仁王立ちする大谷翔平の表情には、いっさいの隙がなかった。今季も投打の柱として異次元のパフォーマンスを続ける背番号17は、立ち上がりからロイヤルズ打線を圧倒。フォーシームは最速101マイル(約162.5キロ)を計測し、鋭く落ちるスイーパーとの組み合わせで打者のバットに空を切らせ続けた。
圧巻だったのは打席での一幕だ。同点で迎えた7回裏、一死二塁の場面。相手エースの投じた内角低めのチェンジアップに泳がされながらも、驚異的な体幹の強さでボールをすくい上げた。白球は綺麗な放物線を描き、ライトスタンド深くへと吸い込まれていく。一瞬の静寂ののち、歓声の渦がスタジアム全体を包み込んだ。自分の投球でゲームを作り、自らのバットで試合を決定づける。まさに二刀流の真骨頂というべき主役の仕事だった。