別府や草津、箱根といった日本を代表する温泉地から、山奥にひっそりと佇む一軒宿まで。各地の景観を切り取った繊細なイラストや切り絵細工が施されたプロダクトは、眺めているだけで現地へ引き戻されるような錯覚を覚える。湯気越しに見える夕暮れの富士山、雪景色の中で赤く灯る提灯、渓谷を渡る新緑の風。グラフィックデザイナーたちが足繁く現地に通い詰め、最も美しい「湯の情景」をミリ単位の精度で紙上に再構築した。
「液晶画面に映し出される4K映像は確かに美しい。けれど、紙の質感や光の透け具合で表現される湯煙の揺らぎには、人間の記憶の隙間にすっと入り込む不思議な奥行きがある」と、東京・銀座の老舗文具店でバイヤーを務める佐藤氏は語る。入荷しても即日完売する品が相次いでおり、コレクターズアイテムとしてのプレミアム感も急上昇している。