今回の価格改定がここまでの規模に膨らんだ背景には、複合的な構造問題が存在する。筆者が取材した業界関係者やアナリストの知見を総合すると、要因は大きく3つに集約される。
第一に、2026年末から拍車がかかった生成AI向け最先端プロセスの需給逼迫だ。Apple独自の「Aシリーズ」チップに用いられる2ナノメートル級の極細微細化プロセスは、ウエハ製造単価が跳ね上がっており、端末1台あたりの原価を直接押し上げている。
第二に、円安の固定化だ。為替レートがドル高・円安に振れた状態が定着したことで、米本社が決定する米ドル基準の価格設定が、日本国内の店頭価格に容赦なく跳ね返る。第三に、カメラセンサーや高輝度ディスプレイに使用されるレアメタル・特殊素材の世界的物流コスト増。これら3つの波が同時に押し寄せた格好だ。