単なるネットのノイズで終わらなかったのが、今回のムーブメントの面白さだ。SNS上の熱量は突如として、1960年代に誕生した伝説の中判フィルムカメラ「Pentax 67」への再注目という予期せぬ方向へと舵を切る。
ズッシリと重い金属ボディ、重厚なシャッター音。スマートフォンで手軽にきれいな写真が撮れる時代だからこそ、1枚を撮るのに手間とコストがかかる名機に、2026年代半ばの若者たちが魅了された。中古カメラ店の店頭からはPentax 67の在庫が消え去り、価格は前年の倍以上に高騰。フィルムの粒状感と中判ならではの圧倒的な立体感が、SNS画面を埋め尽くすことになった。