人間には、他者の目の「白目(鞏膜)」と「黒目(角膜)」の比率や動きをミリ単位で感知する高度な社会的能力が備わっている。進化の過程において、人間の白目が他の霊長類よりも広い理由は、自分の視線がどこを向いているかを仲間に伝えるためであったと考えられている。
したがって、視線が自然な揺らぎを失い、意図の読めない固定状態に陥ると、脳の防衛本能は「予測不能な危険要因」として認識する。相手の感情の起伏が見えないことに対する進化心理学的な恐怖が、私たちが背筋が凍るような不快感を抱く真因だ。特に白目の露出面積が変調をきたした眼光は、捕食者の視線と似た刺激を脳の古層に与える。