『僕のヒーローアカデミア』の世界には、生まれつき破格の破壊力を持つ「個性」が溢れている。爆発、全開のパワー、炎や氷の操作——そうした派手な能力が脚光を浴びるヒーロー社会において、袴田維の能力「ファイバーマスター」は異質だった。彼が操作できるのは、あくまで衣服などの「繊維」に過ぎない。硬度の高いジーンズ地ならまだしも、繊細な生地になればなるほど制御の難易度は跳ね上がる。
しかし、彼はその地味な能力を、戦況を一瞬で覆す最高峰の武器へと変貌させた。ワイヤーのように細い繊維一本で巨大な瓦礫を支え、味方を瞬時に救出し、敵の動きを拘束する。この超人的な緻密さこそ、彼がヒーロービルボードチャートJPでNo.3(後にNo.2)という頂点に立ち続けた理由だ。生まれ持ったスペックの差を、圧倒的な「鍛錬と創意工夫」で覆してみせた姿は、読者に強い勇気を与えた。