事故が起きた当日の朝、園内は異様な慌ただしさに包まれていた。複数の関係者の証言を総合すると、当日は予定されていた保育士の急な欠勤により、急ごしらえの応援体制が組まれていたという。屋外活動時の人数確認や点呼のプロセスが形骸化し、本来であれば複数の目で二重三重にチェックされるべき「園児の動線管理」が完全に抜け落ちていた。
「子どもを預ける側としては、認可園という看板を信じ切っていた。だが実際には、危険と隣り合わせの綱渡り保育が行われていたなんて」。我が子を同園に通わせる30代の母親は、声をとがらせる。事故発生から第一報が保護者へ届くまでにかかった時間の長さも、不信感に火をつけた。迅速な救護措置と同時に行われるべき透明性の高い情報共有が、現場の混乱によって著しく遅延したのだ。