部位の選定と同じくらい重要なのが、実は「すりおろし方」という物理的アプローチだ。全く同じ先端部を使っても、おろし器の上でどう包丁動かしたかによって辛さの質が別物になる。
辛味を極限まで抑えたいなら、おろし器に対して大根を垂直に当て、円を描くように優しく優しく滑らせるのが鉄則。細胞壁が壊れにくく、辛味成分の生成が最小限に抑えられるからだ。逆に、涙が出るほどの辛さを求めたい場合は、おろし器に対して一直線に力を込め、細胞を力任せに破砕するように力強くすりおろす。細胞が細かく砕かれれば砕かれるほど酵素反応が爆発的に進み、辛味は一気に頂点へ達する。