半蔵門線の遅延を語るうえで避けて通れないのが、東急田園都市線および東武スカイツリーライン(伊勢崎線・日光線)との3社相互直通運転だ。神奈川県中央部の神奈川県大和市・中央林間から、東京都心を抜け、埼玉県久喜市や栃木県南部に至る長大なネットワークは、乗客にとって圧倒的な利便性をもたらす一方で、ダイヤの脆弱性という諸刃の剣を抱えている。
例えば、早朝に東刻の田園都市線内でホームドア点検や車両トラブルが発生すると、その影響はダイレクトに半蔵門線へと飛び火する。さらに、東武線内での踏切事故や強風による規制が加われば、直通運転の中断や運行管理システムの調整作業によって、線内にとどまらない広域な遅延スパイラルが発生するのだ。まさに「どこか一箇所で蝶が羽ばたけば、都心で嵐が吹く」と言わんばかりの構造的課題がそこにある。