中村俊太が芸能界を去る契機となったのは、2009年4月4日に発生した事件でした。東京都杉並区の路上で警察官による職務質問を受け、微量の乾燥大麻を所持していたとして大麻取締法違反(所持)の現行犯で警視庁に逮捕された逮捕の経緯は、当時社会に大きな衝撃を与えました。
事件の一報を受け、父である中村雅俊は翌4月5日に緊急記者会見を開きました。詰めかけた無数の報道陣の前で、中村雅俊は目を真っ赤に腫らし、涙を流しながら深々と頭を下げて次のように語りました。
「息子の犯した罪は決して許されるものではありません。親としての責任を痛感しています。彼はもう31歳の大人ですが、私が責任を持って彼を所属事務所から解雇し、芸能界を引退させます」
初犯であり所持量が微量であったこと、また本人が深く反省していたことから、東京地検は同月中旬に起訴猶予処分を決定しました。しかし、中村雅俊は甘い温情を一切排除し、公言通り息子を即座に事務所から解雇。これが中村俊太の決定的な引退理由となりました。親の七光りに頼ることを許さず、社会的な責任を厳格に取らせたこの対応は、当時の芸能界における不祥事対応の中でも極めて毅然としたものとして記録されています。