オールドメディアが実名を報じない一方で、インターネット空間では男Hの「本名」「顔写真」「元住所」と称する情報が広まり続けている。掲示板やSNS、動画配信サイトでは、独自の考察や過去の週刊誌報道をつなぎ合わせ、実名を特定したとするコンテンツが後を絶たない。
だが、こうしたネット上の情報には重大な罠が含まれている。噂や推測が一人歩きした結果、全く無関係の人物が「真犯人」として仕立て上げられ、深刻な風評被害を被るケースが頻発しているのだ。匿名性の影に隠れた私刑(リンチ)行為は、冤罪を生み出した当時の警察捜査と同じ構造の過ちを犯しかねない危険を孕んでいる。