彼女の女優人生における大きな転機として語り継がれるのが、廣木隆一監督による映画『さよなら歌舞伎町』である。歌舞伎町のラブホテルを舞台に交錯する男女の群像劇を描いた本作で、彼女はプロのミュージシャンを目指しながらも挫折と妥協の狭間で揺れるヒロインを熱演した。
アイドル時代の残像を完全に消し去るような生々しいベッドシーンや、人間の醜さや弱さを隠さない泥臭い濡れ場は、日本映画界に鮮烈な印象を刻みつけた。露出の多さや過激な演出ばかりが取り沙汰されがちだが、彼女が提示したのは単なるセンセーショナリズムではなく、必死に生きる人間のリアリティそのものであった。この作品を境に、映画界における彼女への視線は一変することとなる。