ハイエースの運転席に乗り込んだ瞬間、誰もがその視界の高さに驚く。一般的な乗用車やSUVとも大きく異なる。トラックに乗っているかのような圧倒的な見晴らしの良さだ。その最大の理由は、エンジンの上に座席が配置された「キャブオーバー構造」にある。ドライバーの前に長いボンネット(鼻先)が存在しない。
前方に障害物がないため、車両前端の距離感はすこぶる掴みやすい。フロントガラスのすぐ下まで路面が見えるような錯覚すら覚えるほどだ。だが、この構造こそが初心者を惑わせる最大の罠でもある。自分が前輪の真上に座っているという感覚を忘れると、ハンドルを切るタイミングがすべて狂ってしまう。鼻先がないからといって手前から曲がり始めると、車体側面を壁にこすりつける原因になる。