妊娠検査薬が反応するのは、着床後に胎盤の絨毛組織から分泌され始めるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCGホルモン)だ。受精卵が子宮内膜に着床して初めて体内で産生されるため、どんなに高性能な検査薬であっても、着床前の段階では原理的に反応しない。
一般用医薬品として流通している標準的な検査薬の検出感度は50mIU/mLに設定されている。生理予定日3日前〜当日の段階では、尿中hCG濃度が個人差によって10〜50mIU/mL程度にとどまるケースが多く、フライング検査で確実な判定を得られる確率は低い。生理予定日直前に「薄い線」が出たとしても、それはあくまで着床の兆候をとらえた可能性を示唆するに過ぎず、陰性であっても妊娠を否定する根拠にはならない。反応の精度が99%以上の確実性に達するのは、本来のメーカー推奨時期である生理予定日1週間後以降だ。