急降下時のハヤブサは、最高時速390km以上に達することが実測されている。新幹線すら凌駕する速度域において、通常の生物であれば息を吸うことすら困難だ。強烈な風圧が直接気道になだれ込めば、肺が破裂しかねない。
この致命的な問題をクリアしているのが、ハヤブサの鼻孔内部に存在する小さな円錐状の突起構造だ。この突起が衝撃波を拡散させ、流入する空気の流速を減衰させるジェットエンジンのインテークのような役割を果たしている。さらに、時速300kmを超える風圧の中でも視界をクリアに保つため、瞬間的に目を保護する半透明の「瞬膜」と、涙の蒸発を防ぐ特殊な粘液分泌系が完璧に機能する。