日本放送協会(NHK)が誇る大河ドラマの進化も止まらない。かつての『光る君へ』で証明されたように、平安絵巻の雅さと人間の生々しい愛憎劇をハイブリッドさせた演出手法は、歴史ファンのみならず若い世代の心をも強く捉えた。
教科書的な歴史のなぞり書きはもうそこにはない。現代のジェンダー観や個人の生きづらさと共鳴するキャラクター描写が、緻密な時代考証の土台の上に鮮やかに立ち上がる。美術セットの妥協なき作り込み、4K・8K撮影を前提とした陰影豊かなライティング。日本のテレビドラマが持つ職人技の極致が、そこには凝縮されている。