ビジュアルの良さに加え、実在した文豪たちのイケメンエピソードは作品以上に破天荒でドラマチックです。彼らの多くは激しい情熱と危うさを持ち合わせており、それが数多の女性を惹きつける原動力となっていました。
華麗かつ壮絶な文豪の恋愛遍歴とモテ男としての逸話において、太宰治の右に出る者はいません。銀座の女給や芸妓、文学志望の女性など、太宰の周りには常に献身的に尽くす女性たちが存在しました。複数回の心中未遂を繰り返しながらも女性が途切れなかった背景には、弱さをさらけ出すことで母性本能を強烈にくすぐる天性の魅力があったと伝えられています。
中原中也もまた、女優・長谷川泰子をめぐって文芸評論家・小林秀雄と繰り広げた三角関係など、情熱的で傷つきやすい性格ゆえの激しい恋愛劇を残しました。芥川龍之介も女性歌人との秘められた情事に苦悩し、谷崎潤一郎に至っては親友の佐藤春夫に自らの妻を譲るという前代未聞の「妻譲渡事件」を引き起こしています。容姿端麗な彼らの恋愛は、常に創作活動と密接に結びついていました。