大根は茹でるな?蒸し大根が劇的に甘くなる科学的理由と時短術

大根は茹でるな?蒸し大根が劇的に甘くなる科学的理由と時短術

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料理の現場において、古くから信じられてきた「大根の下茹で神話」。しかし、料理研究家の上田淳子氏がFRaUなどのインタビューで「最強のふろふき大根を作るなら、ゆでるのではなく蒸気を活かして蒸すべき」と語ったように、プロの現場では蒸し調理の圧倒的優位性が実証されています。

蒸し大根が信じられないほど甘くなる最大の科学的理由は、糖分とアミノ酸の溶出防止にあります。大根にはブドウ糖、果糖、ショ糖といった天然の糖類と、昆布にも含まれる旨味成分「グルタミン酸」が豊富に含まれています。大根を大量の湯でグラグラと煮立たせた場合、細胞膜の隙間からこれらの水溶性成分が茹で汁側へ容赦なく逃げ出してしまいます。煮汁をすべて飲み干すスープならまだしも、下茹で湯を捨ててしまう調理法では、大根本来の美味しさの3割から4割をドブに捨てているに等しい状態でした。

一方、蒸気で包み込む蒸し調理では、外側から100℃前後の飽和水蒸気が均一に熱を伝えます。水分を奪いすぎず、余分な水分を与えすぎない絶妙な環境下で、大根自体の水分を使って自身の細胞をふっくらと加熱するため、甘味成分が内部にぎゅっと凝縮します。さらに、大根に含まれるペクチン(食物繊維)が穏やかに軟化し、繊維を壊さずにスプーンがすっと入る極上の舌触りが生まれるのです。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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