円谷プロダクションが製作した『ウルトラマンレオ』において、丘野かおりが演じた山口百子は、城南スポーツクラブの事務員であり、故郷・L77星を失って地球に漂着したゲンにとって「地球における家族」そのものでした。過酷な特訓に傷つくゲンを優しく包み込む姿は、昭和ウルトラシリーズの中でも屈指のヒロイン像として視聴者の胸に深く刻まれています。
しかし、物語は第40話「MAC全滅!円盤は生物だった!」で日本特撮史に残る未曾有の惨劇を迎えます。突如飛来した円盤生物シルバーブルーメの襲撃を受け、防衛組織MACが基地ごと全滅しただけでなく、都内のデパートで買い物をしていた百子、カオル、猛の3人も建物の崩壊に巻き込まれ、命を落とすという展開が描かれました。
この衝撃的な丘野かおりの降板理由の裏には、1973年秋に発生した第1次オイルショックによる制作費の高騰と、視聴率低迷に伴う大幅な番組リニューアルがありました。制作陣は防衛チームと従来のレギュラー陣を一度に整理し、後半の「恐怖の円盤生物シリーズ」へと舵を切る必要に迫られたのです。当時の関係者証言によると、キャスト陣にとっても青天の霹靂の降板劇であり、百子との別れは主人公のみならず全国の子供たちに強烈なトラウマと喪失感を残しました。