政治や経済の文脈から視点を1940年代の米国カルチャーへと転じると、映画ファンの記憶に刻まれたもうひとつの「PRC」が現れる。当時ハリウッドの低予算映画街「ポヴァティ・ロウ」を牽引した映画製作・配給会社、Producers Releasing Corporation(プロデューサーズ・リリーシング・コーポレーション)である。
1939年から1947年という短い活動期間ながら、同社は西部劇、ギャング映画、ホラー、フィルム・ノワールなど多岐にわたるジャンルを驚異的なスピードと低コストで量産した。エドガー・G・ウルマー監督による傑作『虚栄の市(Detour)』のように、制約だらけの予算から奇跡的なカルトクラシックを生み出した歴史は、現在もメディア・映画産業の研究者たちの間で語り草となっている。