ネット上には今なお、過去の強烈なインパクトから生じた多くの誤解が氾濫しています。ここで客観的事実をもとに代表的な誤認を是正します。
第一の誤解は、「偽物ディズニーランドはディズニーの訴訟で潰され、廃墟になった」という言説です。廃墟マニアのブログなどで他の閉鎖された中国テーマパーク(アジア最大の廃墟と呼ばれた北京の「ワンダーランド(沃徳蘭遊楽園)」など)と混同されがちですが、前述の通り石景山遊楽園は今も営業を続けており、年間を通じて多くの来園者を集めています。
第二の誤解は、「石景山遊楽園の暴走は、一民間業者の詐欺行為だった」という認識です。実態は全く逆で、この遊園地は北京市の区政府直属の国有資産管理企業が管理する、紛れもない「公営パーク」でした。民間企業のモラル欠如ではなく、公的機関ですら国際標準の知的財産ルールを理解していなかった点に、当時の「中国テーマパークのパクリ問題」の根深さがあったと言えます。
当時、中国全土には石景山遊楽園だけでなく、地方都市のあちこちに粗雑なテーマパークが林立していました。これは中国で「山寨(シャンジャイ=パクリ・模倣)文化」と呼ばれた現象の典型例です。急速な経済発展に国民の娯楽需要が追いつかず、「本物を見られない大衆のために、手近な模倣品を提供する」という歪んだ市場原理が、当時の社会全体で正当化されていたという構造的背景が存在していました。