『あしたのジョー』を語る上で欠かせないのが、あまりにも有名なラストシーンだ。世界王者ホセ・メンドーサとの死闘を終え、コーナースツールで真っ白な灰のように微笑む丈の姿は、日本のフィクション史上最高の名場面として語り継がれている。しかし、この結末を巡っては長年、数々の裏設定や都市伝説が囁かれてきた。
関係者の証言によると、当初の原案とちばてつやが描いた最終コマの間には大きな解釈の隔たりが存在したという。生か死かという二項対立を超え、「完璧に生き切った男の充足感」を表現するために、ちばが何度も描き直した末に辿り着いたのがあのグラフィックだった。また、未公開のエピソード案として、リングを下りた後のアフターストーリーや、海外のボクサーとの幻のプロモーションマッチなどのアイデアも存在していたことが近年の資料調査で判明し、ファンの間で大きな話題を呼んでいる。