この重厚なリリックを、大衆に愛されるポップアンセムへと昇華させた立役者が、作曲を手掛けたD・A・I(長尾大)です。Do As Infinityのメンバーとしても知られる彼が紡ぎ出すメロディは、哀愁を帯びたヨナ抜き音階(日本人の琴線に触れる伝統的旋律)のニュアンスと、疾走感のある西洋ポップスのビートが見事に融合していました。アレンジャーの鈴木直人による洗練されたストリングスアレンジも加わり、湿っぽくなりすぎない絶妙なドライアイスのような清涼感を楽曲に与えています。
さらに社会現象を後押ししたのが、フジテレビ系月9ドラマ『天気予報の恋人』(佐藤浩市、稲森いずみ、深津絵里、矢部浩之ら出演)の主題歌起用でした。嘘から始まる大人の不器用な恋愛模様と、季節の移ろいに人生の諸行無常を重ね合わせる『SEASONS』の世界観が完璧にシンクロし、ドラマ視聴層である20〜40代の大人のリスナー層を一気に開拓することに成功します。
また、映像面におけるPV撮影秘話も見逃せません。武石渉監督が手掛けたミュージックビデオは、緑が生い茂る楽園ではなく、荒廃した砂漠のような異世界を舞台に設定されました。全身黒の喪服を思わせるドレスをまとった浜崎あゆみが、瓦礫の中で過去の自分を埋葬するかのように佇む映像美は、「過去への決別と再生」というテーマを痛烈に視覚化。きらびやかなギャルカルチャーの頂点にいた彼女が自ら放った退廃的なビジュアルショックは、当時のカルチャーシーンに計り知れない衝撃を与えました。