高所収納の物理的ハードルを下げる試みは、家具メーカーや住宅設備メーカーの技術革新によっても大きく加速している。イケア・ジャパン株式会社が提案するウォール収納やモジュール式システム家具は、天井付近の限られたスペースをミリ単位で有効活用するアイデアに溢れている。高さ調整が自在な棚板や、専用の引き出しパーツを組み合わせることで、無駄な空隙を一切作らない精密な収納空間が完成する。
また、近年の最新住宅設備においては、手元まで棚が降りてくる昇降式ハンガーパイプやドロップダウン機能付きラックが標準採用されるケースが増えてきた。従来の日本家屋に多く見られた「届かない天袋」という概念そのものを解体し、インテリア産業全体が高所空間のアクセシビリティ向上に向けて大きく舵を切っている。