映画の宣伝・配給戦略において、メディアやジャーナリストに向けたプレス試写会の重要性は時代を超えて変わらない。近年、第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞するなど世界的な現象となった『ゴジラ-1.0』のような世界的ヒット作のプロモーションでも、初回の関係者試写でどのような熱量が生まれるかがマーケティングの成否を分けた。
一方で、近年の映画制作・流通構造は劇的に変化している。NetflixやU-NEXTといったグローバル動画配信プラットフォームが製作するオリジナル映画作品の台頭により、劇場公開を前提としない大作が急増した。しかし、これらの配信作品であっても、主要な映画批評家や映画賞の選考委員に向けたファーストスクリーニングの場として、リアルな高品位試写室のニーズは高まる一方だ。配信ファーストの時代だからこそ、大画面と劇場音響で作品の本質を体感させる試写室の価値が再認識されている。