知床観光のハイライトである知床五湖は、ヒグマの主要な生息域の真ん中に位置しています。そのため、観光客の安全を確保しつつ自然を保護するための厳格なゾーニング管理が徹底されています。
湖畔を巡るルートは大きく2つに分かれています。1つは全長約800mの「高架木道」で、周囲に7000ボルトの電気柵が張り巡らされており、シーズンを通じて無料で安全に一湖の展望台まで往復できます。もう1つは原生林を直に歩く「地上遊歩道」です。地上遊歩道では知床五湖ヒグマ活動状況に応じた利用制限が設けられており、5月上旬から7月末までの「ヒグマ活動期」には、認定を受けたプロが案内する知床国立公園ガイドツアーへの参加が義務付けられています。
遊歩道周辺でヒグマの至近距離での目撃や採食行動が確認された場合、地上遊歩道は即座に閉鎖されます。リスクをゼロにするのではなく、ヒグマの行動に合わせて人間側が立ち位置を変えるこの運用こそが、知床の安全管理の真髄です。