箱根駅伝の中継を長年牽引してきた日本テレビによるテレビ中継と、ラジオ独占中継を担う文化放送の取り組みは、日本のスポーツメディアにおける最高のコラボレーションと言える。テレビ中継が最新技術を駆使した映像美と緻密なカメラワークでレースを追う一方で、ラジオは言葉と効果音のみで情景を描き出す超高度な描写力が求められる。
メディアごとに異なるアプローチを競い合う構造は、日本の放送業界全体にとってもスポーツ実況の質を高める大きな原動力となってきた。映像が見られない環境でも、ラジオから聞こえるアナウンサーの叫びだけで目の前に箱根路の景色が鮮明に浮かび上がる。この立体的な中継網が、正月の列島全体を駅伝一色に染め上げるのだ。