自らの髪を喰らう奇病の罠。胃切開に至るラプンツェル症候群の真実

自らの髪を喰らう奇病の罠。胃切開に至るラプンツェル症候群の真実

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「ラプンツェル」という言葉を聞いて多くの人が思い浮かべるのは、ドイツのグリム兄弟が編纂した世界的に有名な童話や、金色の長い髪を持つ少女の物語だろう。しかし医療の領域において、この名前は全く異なる暗い意味を帯びる。

1968年に消化器外科領域で初めて報告されたこの病態は、口から摂取された髪の毛が胃酸で消化されず、徐々に絡み合って形成される「毛髪胃石(trichobezoar)」が原因だ。胃の形態に沿って固まった毛球は、やがて収まりきらなくなり、腸管へと長く尾を引くように伸びていく。その様子が、高い塔から髪の毛を垂らす少女の姿に似ていることから名付けられた。なんとも皮肉な命名と言わざるを得ない。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。