ラクトフェリンがノロウイルスに対して発揮する防御力は、大きく分けて「直接的な接触阻止」と「全身の免疫力活性化」という2つのアプローチで構成されています。
第一のメカニズムは、ウイルス粒子への直接吸着と細胞受容体のマスキングです。ノロウイルスが小腸上皮細胞に侵入する際、細胞表面の糖鎖構造(組織血液型抗原など)を足がかりにしますが、ラクトフェリンはこの受容体およびウイルスの外殻タンパク質に先回りして結合します。これにより、ウイルスは細胞内へ侵入できず、増殖の機会を失います。
第二のメカニズムは、腸管免疫を介した生体防御力の底上げです。ラクトフェリンは腸内のパイエル板(免疫応答の司令塔)を刺激し、異物を攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞の活性化や、粘膜免疫の主役である分泌型IgA(sIgA)抗体の産生を促進します。全身のインターフェロン産生を高める作用も報告されており、ウイルスが体内で増殖しようとするプロセスを多層的に封じ込めます。