門松は単なる季節のインテリアではない。神道における極めて重要な宗教的装置だ。古来、新年の神である「年神様(歳神様・正月様)」は、一年の実りと家族の無病息災、家運繁栄をもたらすために山から降りてくると信じられてきた。
神様は目に見えない存在であるため、どこを目印にして降りてくればよいかを示す「依り代(よりしろ)」が必要になる。そのアンテナの役割を果たすのが、常緑樹であり生命力の象徴である松や竹を用いた門松である。
門松を早く外してしまえば神様を追い出すことになり、逆にいつまでも放置すれば神様への礼を失する。松の内が明けるタイミングで丁寧に片付ける行為は、宿っていただいた年神様を感謝とともにお送りする「神送り」の儀式そのものなのだ。