2006年、ブルックリン。パッションと明確な目的意識を持った2人の女性、ベサニー・オーブレヒトとアンナ・コンウェイが出会ったことで、物語は動き出した。二人に共通していたのは、デザインに対する妥協のないこだわりと、保護犬に対する並々ならぬ愛情だった。
当時のペット市場に流通していたリードは、プラスチック製の安価なものか、味気ないナイロンテープばかり。愛犬との日常の散歩を、より美しく、より堅牢な体験へと昇華させるプロダクトは存在しなかった。
彼女たちが着目したのが、極寒の海洋でも船を繋ぎ止める「船舶用マリンロープ」だった。ナイロンやコットンを何重にも編み込んだロープは、引っ張り強度に優れるだけでなく、使い込むほどに手に馴染む質感を持つ。職人が使う「スプライス(ロープの端末相互を編み込んで接合する技術)」と「ホイッピング(ほつれ止め)」の技術を応用し、化学接着剤に頼らない安全で強固なリードを作り上げることに成功した。