「リアル・ラブ」は、単なる未発表曲ではない。1970年代末、主夫として穏やかな日々を送っていたジョン・レノンが、自分自身の内面と向き合いながら紡ぎ出した至高のラヴソングだった。自宅の居間でラジカセに向かって歌われたデモ音源には、装飾のない純粋な感情が溢れ出ている。
ザ・ビートルズの初期の熱狂から離れ、人生の静けさの中で見出した愛の境地。彼が命を吹き込もうとしていたメロディは、残された3人にとっても「解散という過去の傷を癒やすための聖域」として機能した。ジョンが残したシンプルな構成だからこそ、残されたメンバーがそれぞれの楽器を重ねる隙間が残されていたのだ。