宇宙と大気を見つめるNASA(アメリカ航空宇宙局)と、地下の鼓動を監視するUSGS(アメリカ地質調査所)は、それぞれ独自の視点からこの怪音に科学のメスを入れている。
NASAの研究者らは、地球自身が発する自然の電磁放射線や、大気圏上層で人知れず炸裂する流星に伴う衝撃波「スカイクエイク」に着目する。超音速で突入した微小天体が爆縮した際、音波が高層大気のダクト構造を伝播し、遅れて地表に重低音として届くケースが確認されている。
一方、USGSを中心とする地球物理学のアプローチは地下深くへと向かう。プレート境界から遠く離れた安定地塊で起きる極小規模な断層のきしみや、寒冷地で見られる凍土の破裂(凍結地震)が、特定の地質構造を通じて空気中へと音響変換されるメカニズムだ。空から降ってくるように思える轟音の震源が、実は足元の岩盤の軋みだったという事例は決して珍しくない。