『君の名は。』にまつわる聖地情報の中には、ファンの間で広まった推測と公式設定が混同されているケースが少なくありません。代表的な誤解とその真相を整理します。
まず、隕石衝突によって形成された「糸守湖」のモデルについてです。インターネット上では長野県の「諏訪湖」が唯一のモデルと語られることが多いですが、新海誠監督自身のインタビューや公式美術画集によれば、監督の出身地である長野県小海町の「松原湖」や諏訪湖など、複数の湖沼風景と架空のディテールを織り交ぜて再構築されたものです。諏訪湖の高台(立石公園)から見下ろす大パノラマは糸守湖の構図に極めて酷似していますが、「完全な実写トレースではない」という背景を理解しておくと、より創作の妙味を感じられます。
また、三葉の祖母・一葉とともに訪れる「御神体」が鎮座する山頂カルデラは、東京都の絶海の孤島「青ヶ島(丸山)」の二重カルデラ地形がビジュアルの強い着想源になったといわれています。しかし、青ヶ島は日本屈指の渡航難度を誇る離島であり、上陸には天候やヘリコプター・定期船の厳しい就航条件が伴います。安易に「週末に行ける聖地」と誤認して計画を立てるとトラブルの原因となるため、十分な下調べが必要です。