館内最大のハイライトと言えば、毎年3月下旬から5月下旬までの期間限定で開催される「ホタルイカ発光ショー」だ。他の季節には見られない生きた成体の発光を、専用の暗室シアターで直接鑑賞できる貴重な機会となっている。
観覧席を埋める静寂の中、照明がゆっくりと落ち、完全な漆黒の世界が訪れる。スタッフの熟練した解説とともに網がそっと引き揚げられると、次の瞬間、水面でホタルイカたちが一斉に青い光の粒子を撒き散らす。冷たい深海水の中で力強く脈打つ青い閃光は、液晶画面やLEDの擬似光では決して再現できない、命そのものの輝きだ。
ホタルイカは環境変化にきわめて敏感で、長期飼育が極めて困難な繊細な生き物だ。ミュージアムでは富山湾の水深300メートル以上から汲み上げた清純な日本海固有水を常時循環させ、厳格な水温・水質管理を徹底している。このバックヤードを支える高い技術力があるからこそ、私たちは安全な館内にいながらにして、深海の神秘を間近で体感できるのだ。