中身の製造を担うのは、創業100年以上の歴史を誇る老舗メーカー・モリヤマの銘品「日光印」だ。一般的なオフィスで使われるスポンジ式の簡易スタンプ台とは根本から構造が異なる。天然の鉱物顔料である辰砂(しんしゃ)や高品質なヒマシ油、植物繊維(モグサ)を職人が丹念に調合して練り上げた本物の練り朱肉である。
書道や水墨画で用いられる中国伝来の印泥が持つしっとりとした質感を受け継ぎながら、日本の気候風土に合わせて改良を重ねた配合はまさに芸術品だ。紙に乗せた瞬間に繊維の奥深くまで色素が定着し、鮮烈でありながら目に優しい深紅の陰影を刻む。その印影は数十年、数百年を経ても色あせることがない。