精神医学における診断基準は明確だ。アメリカ精神医学会が定めた『DSM-5-TR』において、身体醜形障害は「強迫症および関連症群」に分類されている。世界保健機関(WHO)の国際疾病分類でも同様に位置づけられており、日本精神神経学会でも早期発見と適切な介入の重要性が叫ばれている。
臨床診断における決定的な境界線は、以下の3点に集約される。
第1に、他者からは客観的に確認できない、あるいは極めて軽微な外見の欠陥に対する強いとらわれが存在すること。第2に、その執着に関連して、鏡の確認、過度な身づくろい、皮膚をむしる行為、他者との執拗な比較といった反復行動を1日に何時間も繰り返していること。そして第3に、これらの症状によって学業、職業、社会生活に著しい機能不全が生じていることだ。日常のちょっとしたコンプレックスと臨床的な障害との間には、生活を完全に破綻させるか否かという明確な断絶がある。