犬に噛まれたら破傷風になる確率は?発症リスクと初期症状・受診目安に関する詳細情報を丁寧にまとめました。専門的な情報をご確認ください。
犬に噛まれた際に問題となるのは破傷風だけではありません。傷口から急速に広がる細菌感染症「パスツレラ症」や、海外渡航時に最重要警戒となる「狂犬病」など、それぞれ性質や危険度が大きく異なります。臨床現場で用いられる主な指標を一覧で比較します。
感染症・病原体潜伏期間・発症スピード主な初期症状・特徴国内致死率・危険度評価破傷風
(破傷風菌/土壌常在菌)3日〜3週間
(平均7〜10日程度)傷口の違和感・鈍痛、口が開けにくい(開口障害)、首筋のこわばり、痙攣致死率10〜20%
傷が小さくても深部に菌が入ると重症化する極めて危険な毒素性疾患。パスツレラ症
(Pasteurella multocida)数時間〜48時間
(極めて急速)受傷部位の激しい発赤・腫れ・激痛、蜂窩織炎、化膿、発熱犬の口腔内保有率約75%
最も頻度の高い感染症。骨髄炎や敗血症へ進行するリスクあり。狂犬病
(狂犬病ウイルス)1ヶ月〜3ヶ月
(半年以上の場合も)傷口の異常感覚、発熱、恐水症(水を恐れる)、中枢神経麻痺、昏睡発症後致死率ほぼ100%
国内は清浄国だが、海外での咬傷時は直ちにPEP(曝露後ワクチン)が必須。カプノサイトファーガ感染症
(C. canimorsus)1日〜7日
(平均2〜5日)発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、四肢の紫斑、播種性血管内凝固症候群重症時致死率約20〜30%
糖尿病や肝硬変、高齢者など免疫低下者で急速に多臓器不全を起こす。
特に成人の破傷風予防接種において知っておくべき事実が「ワクチンの有効期間」と「年代別の免疫ギャップ」です。小児期に4種混合(DPT-IPV)などで破傷風ワクチンを完了していても、獲得免疫の有効期間はおよそ10年間とされています。つまり、20代以降の成人は抗体価が著しく低下しており、さらに1968年(昭和43年)以前に生まれた世代は定期接種制度自体が存在しなかったため、基礎免疫すら持っていないケースが大半です。