2014年、捜査線上に浮上し逮捕された犯人の本名は神一輝(通称:神いっき)でした。逮捕時、世間を驚かせたのはその容姿と複雑なアイデンティティです。戸籍上の性別は女性でありながら、本人は物心ついた頃から自身の性別に強い違和感を抱いており、性同一性障害(GID)の診断を受けて男性ホルモン投与などの治療を行っていました。
普段は男性として生活していた神被告ですが、犯行時にはウィッグを被り、メイクを施し、女性らしい衣服を身にまとって「声優のアイコ」へと変貌していました。さらに巧妙なことに、時には「妊娠中の女性」を装って大きなお腹に見せかけるパッドを着用し、男性側の警戒心を完全に解くなど、被害者の心理を巧みに操る擬態を繰り返していたのです。
取り調べが進むにつれ、幼少期からの複雑な家庭環境や虐待体験、自己否定感、経済的困窮といった過酷なバックボーンが浮き彫りになりました。しかし、奪った金品をホストクラブでの豪遊やブランド品の購入、生活費に充てていた事実も判明し、身勝手な動機に対する厳しい社会的批判が集中しました。