ネット上の簡易解説動画を見て始めた人が直面しやすい最大の落とし穴が、「裏面の糸処理」と「糸の引き加減」です。表側の目が美しく揃っていても、裏面で糸を長く渡したり玉結びを作ってしまうと、布地が波打ったり額装した際に裏糸が透けて見えたりします。
熟練の刺繍作家が徹底しているクロスステッチ 刺し始め 刺し終わり コツは、玉結びを作らない「ループメソッド」や「裏糸くぐらせ」です。2本取りで刺す場合、1本の長い糸を半分に折って針に通し、最初の1目を通した際の輪っかに針をくぐらせるループメソッドを用いれば、裏面を完全にフラットな状態に保てます。
また、「100円ショップの刺繍糸でも市販キットと同じように仕上がる」という言説には注意が必要です。安価なポリエステル製糸は毛羽立ちやすく、摩擦で撚りが解けたり、完成後の水通しで色落ちして布地を汚してしまうリスクがあります。長く手元に残したい作品には、毛羽が少なく均一な艶を持つ高品質なエジプト綿100%の糸を選ぶのが鉄則です。