「ヘアアイロンの前にオイルをつけると髪が焦げる」という噂は、残念ながら都市伝説ではなく科学的な事実に基づいています。その最大の引き金となるのが、美容業界で警戒される「水蒸気爆発」と急激な温度上昇です。
濡れた髪や水分の残った毛髪に160度以上の高温プレートを当てると、髪内部の水分が一瞬で沸騰して気化します。このときキューティクルを内側から破壊するのが水蒸気爆発です。さらに、熱保護成分を含まない一般的なアウトバストリートメント用オイルを塗った状態で熱を加えると、オイルの油分が熱伝導率を高め、髪の毛をまるで「フライパンで揚げ焼き」にするような過酷な状況を作り出してしまいます。
毛髪の主成分であるタンパク質は、過度な熱を受けると固まる「タンパク変性」を起こします。一度変性して炭化した毛先は二度と元の柔らかさを取り戻せません。「ジュッ」という蒸発音や焦げたような臭いがした時点で、髪の内部構造には不可逆的な熱ダメージが刻まれているのです。