スマートフォンの画面をスクロールするだけで、無限にコンテンツが消費される時代。私たちは本当に「面白いもの」に出会えているだろうか。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視するあまり、無難にまとめられた動画ばかりが溢れる現代において、かつてのテレビが持っていた「毒」や「熱量」を恋しく思う視聴者が増えている。
安田美智代が手掛けた番組には、予定調和を破壊するエネルギーがあった。視聴率という冷徹な数字と対峙しながらも、彼女の視線は常に「画面の向こう側にいる生身の人間」に向けられていたのだ。この姿勢こそが、今の放送業界に最も欠けているピースなのかもしれない。