彼女の楽曲が持つ圧倒的な説得力、その源泉はどこにあったのか。後に大きな話題を呼んだノンフィクション小説およびドラマ『M 愛すべき人がいて』によって、その謎の一端が明かされた。プロデューサー松浦勝人との愛憎入り混じる関係、そして彼に捧げられた悲痛な歌詞の数々。彼女が綴る言葉は、単なるフィクションの物語ではなく、血の通った真実の感情そのものだったのである。
鋭いシンセサイザーの音が響くダンス・ポップのトラックに乗せて、彼女は自らの弱さや絶望、そして狂おしいほどの愛を叫んだ。煌びやかなクラブサウンドと、どこか哀愁を帯びたメロディのコントラスト。それがリスナーの胸を打った。虚像としてのポップスターを演じながらも、歌の中だけでは偽りのない素顔を晒し出す。この表裏一体のリアリティこそが、全盛期の彼女が放っていた唯一無二の輝きの正体だったと言える。