としまえんの営業終了が発表された際、ファンの間で真っ先に囁かれたのが「深刻な経営難だったのではないか」という憶測でした。しかし、財務データを紐解くと、としまえんの赤字経営説は一面的な見方に過ぎないことが分かります。
確かに、最盛期の1992年度に年間約390万人を記録した来場者数は、少子化やテーマパークの多様化に伴い、晩年には100万人前後へと落ち込んでいました。それでも夏季のプール営業や冬のイルミネーション、隣接する温泉施設「豊島園 庭の湯」などの多角化により、営業黒字を計上する年度も少なくありませんでした。
決定的な閉園理由は、黒字・赤字の短期的な損益ではなく、「向こう数十年の大規模改修コスト」と「東京都からの土地買収要請」を天秤にかけた経営判断にありました。開園から90年以上が経過し、アトラクションやインフラ設備の全面改修には巨額の投資が必要な局面を迎えていたのです。