菊池雄星の強烈な人間性を育んだのは、花巻東高校野球部の徹底した人間教育でした。佐々木洋監督が掲げたスローガン「日本一の山を見るのではなく、日本一の山に登る」という言葉通り、徹底的な読書習慣と目標設定シート(マンダラチャートの原型)の活用が義務付けられていました。
菊池投手自身、高校3年間で数百冊に及ぶ哲学書やビジネス書、スポーツ科学の専門書を読破。グラウンド外でのトイレ掃除やゴミ拾いなど、グラウンド外での徳積みを重んじる姿勢は、この時期に完全に身についたものです。
また、強力な同期メンバーの存在も欠かせません。156センチの小柄な体格で甲子園の観客を沸かせた「カット打法」の千葉翔太選手や、菊池投手の女房役として強打を誇った捕手の佐藤涼平さんなど、個性豊かな仲間たちが絶対的エースの重圧を分かち合いました。
夏の甲子園準決勝・中京大中京戦。背筋痛の悪化により先発を回避し、マウンド上で苦悶の表情を浮かべながら降板した菊池投手を、同期の仲間たちが涙を流しながらベンチで支えた光景は、高校野球ファンの胸に刻まれた珠玉の名シーンです。